28 August 2011

夏にさようなら



先週のはじめ頃、37℃というとんでもない気温を記録したらしいリヨン。日本から帰ってきたらすっかり涼しくなっていて、すでに秋の気配がする。

あの強烈な京都の蒸し暑さも、すでに9600キロの彼方、夢の向こう側。


24 August 2011

おいしいお茶を、おいしい水で





柳桜園に、香悦を買いに行った。


お土産用に缶入りのものをふたつ、自分用に袋入りをひとつお願いして座って待っていたら、「暑いですねえ。どうぞ」と冷たいお茶を出して下さった。このお茶をひとくちすすって、椅子から転げ落ちるかと思った。感動的においしかったのである。今までの人生で飲んだお茶の中で一番おいしいんじゃないか…と、本気で思った。

「あのぉ、これは…」とうかがうと、「こちらは水出し玉露、高瀬川でございます」。

自慢じゃないがワタシ、これまで玉露を自分で買ったことなんか一度もない。煎茶だって、粉だらけの安物は嫌だが、だからと言って極上のものを飲んでいるわけではない。お茶は大好きだけど、ちょっと贅沢するようになったのは、ごく最近の話である。

しばし迷う。しかし。せっかく柳桜園まで来たのである。よく考えたら、フランスからわざわざ行ったのである。しかもこちらは海外発送どころか、ウェブ販売もしていない(百貨店経由で買えないことはないのだが)。うーんどうしよう…と思う前に口が勝手に「じゃあこちらを100グラム」と動いていた。値段も聞かずに。円高ドル安なのに(オットよすまぬ)


うちでお茶を飲むのはワタシだけなので、減りはそんなに早くない…と言う事で、正しい保存方法をお聞きした。いったん紙袋を開けたら、残った分はこの袋に入れたまま口をくるくる折って輪ゴムで止めて、さらジッパーバッグにいれて冷蔵庫で保存して下さい、ということだった。

「今までお茶は冷凍庫に入れてたんですけど、冷えすぎるのがあかんのですか?」と白状したところ、「いや、悪いのは実は温度自体やないんです。冷凍庫から出して、すぐにジッパーバッグ開けるでしょ。そしたら、お茶がいっぺんにうわっと湿気を吸うんですわ。その湿気がお茶っ葉の大敵なんです」というお返事。ほほぉ~、知らなんだ。

さらに、「冷凍庫から出して、最低三十分、できれば四十分くらい待ってから袋開けるんやったら、冷凍庫保存でもあかんことないんですけど」とおっしゃった。そうなると自然に出てくる質問が、「じゃあ冷蔵庫で保存するとして、その場合、冷蔵庫から出してから何分くらい待ったらええんでしょう?」

答えは、「五分から十分くらい待ってから、袋を開けて下さい」とのことであった。う~ん、知らんかったとは言え、今までお茶に悪いことしてたなあ~。


高瀬川は50グラム入りの袋も用意されているので、それをふたつお願いすることにした。しかし、この先にオチが待っていた。じゃあお会計を、という段階で今住んでいるのがフランスで…という話になったのだが、そのときのお店の方の反応が、面白かったというと申し訳ないが、ああ、やっぱりねえというものであった。あちゃ~とでもいうような表情をなさって、「あぁ~、ヨーロッパねえ、ヨーロッパの水は緑茶には合わんのですよねぇ~。ミネラルが多すぎるんですわ」とそれはそれは残念そうにおっしゃったのだ。

フランスに行ってからお茶があんまりおいしくないのは体験済みでしっかり認識していたから、そこんとこはショックではなかったのだが、せっかくの玉露を…と思われたのが明らかであった。そして自分でも、ああやっぱりちょっともったいないよなあと思ってしまったのも事実である。京都のお茶は京都の水で飲むのが一番おいしいのだ。但しほうじ茶は、個性が強いのでヨーロッパの硬い水でも大丈夫、おいしくいただける。これも体験済み、お店の方もそうおっしゃっていた。



…とまあこんないきさつがあって、50グラム入りの袋ひとつは、妹のところに嫁に出すことにした。おいしい日本の水で、おいしく淹れて飲んでくれればと思う。もうひとつの袋は大事にフランスに持って帰って、フィルターを通した水とかミネラルの少ないボトル水とかで、工夫して淹れて飲んでみるつもりである。

なんだかんだ言っても、こういう老舗で買い物をするのは実に気分がよろしい。首からカメラぶら下げていかにも観光客ないでたちでお店に入ったワタシだったが、商品棚を見ることもなく迷わず「香悦下さい」と言えたのは、こちらの方のおかげ。どうもありがとう♪

それにしても。汗まみれで店に入ってきたところに冷たいお茶を出して下さるおもてなしの気持ちをうれしく思うと同時に、こういう風に釣られていいお茶を買ってしまうワタシのような客(思うつぼとも言う)の割合って、どれくらいなんだろう…と、ちょっと気になったりするのであった。

22 August 2011

夕涼み



あ、リヨンに似てる。

17 August 2011

きょうのきょうと

あ、裏向きやった…。



ほんま暑いねん、京都の夏。

そやから気温の上がる前の朝早いうちから出かけたいとこやねんけど、京都のお店は11時にならな開けへんねん。そやからはよ出かけても、買いもんできへんしお茶するところもないねん。

ほんでぇ、暑苦しいから首からカメラぶら下げる気(それ以前に持って歩く気)にならへんし、写真もほとんど撮ってないねん。せっかく重たい目ぇして持ってきたのになぁ。


…で。今日はどこ行こかな♪


09 August 2011

残暑お見舞い申し上げます




去年のちょうど今頃…の写真。オットは「『結婚十周年の記念に妻をパリに連れて行ってやった』と一生自慢できる」とか言っていた。電車で二時間しかかからない距離だったこと等々、詳しく語るつもりはないようだ。

昨日は仕事中のオットから電話がかかってきて、あんまりしょっちゅうあることではないので何かあったのかと思ったら、「土曜日、結婚11周年だったね~」。うわっはっはっは、すっかり忘れておりました。←結婚記念日にまったく執着心がない人。



さてワタクシ、あさって木曜日に大阪に向かいます。オットとムスコは翌日金曜日にアメリカに帰省。家族全員二週間以上も留守にするのは、11年前に我が家が始まって以来のことである。留守中植木鉢の水遣りを頼む人はいないし(バカンスで皆さんお留守だから)、冷蔵庫は空っぽなのに外食もできない(バカンスでレストランみんな閉まってるから)。

今日のリヨン、青空だけど気温は16℃とかなり低め。この夏はもうずっとこんな感じ。日本から戻ったら八月も終わりだし、なんだか今年は夏がなかったみたいでやけに寂しい感じがするのであった。…とあちこちでつぶやいていたら、「大丈夫、日本はしっかり暑いから」と励ましのお言葉を頂きました。どうか夏バテしませんように。



05 August 2011

マスタードの街




マスタードで有名なディジョンだが、今では手作りしている場所はほとんど残っていないらしい。マスタード作りは失われた芸術だそうだ。





夏休みの土曜日だと言うのに街はそんなに混んでなくて、観光案内所のすぐ目の前に車を停める場所が見つかった。オットが案内所の人に地図をもらって話を聞いていると、ムスコが「あっちにおかーさんがすご~く喜びそうな部屋があるよ!」と教えにくる。手を引っ張られて行って見たら、チャペルだった。ワタシの好みをすっかり把握しているムスコ。大変よくできました。





ディジョンにはDijon Owl's Trailというのがあって、地面にあるフクロウの印を追って行けば街の観光要所を回れるようになっている。観光案内所でフクロウツアー用説明付地図を3.50€だったかで購入して、持参した分厚く重たいガイドブックは車の中に。





フクロウ矢印を見失わないように追っていく仕事は、ムスコに任せる。案の定ムスコ大喜び。ガイド付きの歩くツアーと違って自分のペースで回れるし(カフェあるいはアイクスリーム休憩しながらとかね)、特に子供連れの家族には素晴らしいアイデアだと思う。もっと他の街でも取り入れてくれないかしらん。







このフクロウが、途中何度か道路工事中で分んなくなっちゃったりいきなり途切れちゃったりしたのはご愛嬌。地図とちゃんとした方向感覚(またはGPS)はあった方がよろしい。

ここ(ムスコの足元)にもフクロウ矢印が。↓







ディジョンには古い古~い建物が沢山残っている。こういう場所を見ると、リヨンって新しい街なんだなあと思う。我々が住んでるアパートはそれでも築150年は経ってるんだけど、







↑例えばこういう建物、リヨンにはない。これなんかまだ新しい方で、↓こうなるともうまるでシラノ・ド・ベルジュラック…と思っていたら、実際映画のロケに使われた建物があったので笑った。






ディジョンのノートルダム教会は13世紀の建築物。ここのガーゴイルはみっつほどを除くと全て一度壊されたことがあって、17世紀だったかに「新しく」付け直されたそうだ。例の説明付地図が見当たらないので、記憶が不確か(爆)。






さらにフクロウを追うムスコ。






電々公社(?)の建物↓。こういう建物の中はおったまげるくらい天井が高いが、電球が切れたらさぞかし大ごとだろうな。壁のすごく上の方にレリーフ装飾があったりすると、どうやって掃除するんだろうとか心配しちゃう。考えることが所帯じみているか…。









Palais des Ducs de Bourgogne(ブルゴーニュ公爵の宮殿であった場所)の一部は美術館になっていて、珍しくムスコが「彫刻を見たい」と言ったので入ることにした。入館料無料。





普段こういう場所は音声ガイドなしでは退屈がるムスコなのだが、この日は興味津々。あの絵は何を言おうとしているのかとか、この絵の風景の中で一体何が起こっているのかとか、色々聞いてくるので説明しながら回ったら予想したよりずっと時間がかかり、路上駐車のメーターが切れる時間。オットだけ美術館を出た。

彫刻やレリーフのある部屋に、大きなスケッチブックと鉛筆がぶら下がっているベンチがあった。見ないでね、とワタシに忠告してから熱心にスケッチするムスコ。見なかったけど、こっそり写真は撮った←フラッシュなしならOK。







リヨンからディジョンまでは高速道路で2時間ちょっと。フランス国外からのお客様をお連れしたら間違いなく喜んでもらえる街だと思う。ディジョンは大きな街ではない。市内の観光要所を回るだけなら、ランチやカフェ休憩も入れて半日あれば大丈夫。パリから日帰りも充分可能である。

しかし先日のワインセラーのムッシュは、「ディジョンよりボーヌの方がずっと素敵ですよ」と強調していた。そういえばリヨンに来てすぐ、招待されたお友達の家でいただいたボーヌの赤ワイン、地元の高校(農学部ワイン学科とかそんなのがある学校だったかと…)で作られたものだったのだけれど、これが実においしかったんだな~。


秋になったらボーヌに行こうっと。




おまけ: ディジョンにもあった市営の貸自転車。ちりんちりん~♪ 




02 August 2011

ワイン街道





とある土曜日。ディジョンまで足を伸ばした帰り道、ボーヌまで高速道路じゃなくて一般道路で南下することにした。

車を走らせるのはワイン街道。見渡す限りのブドウ畑。この夏はこれまで随分寒かったが、ちゃんと育ってるんだろうか。無事に熟してくれよ。期待してるぜ。

 



 

ニュイ=サン=ジョルジュという町で適当に車を停めて、目に入ったセラーに入ってみる。相手をしてくれたムッシュは英語のお上手な方で話がはずんだ。日本人も沢山来るが、最近は中国の人が多いらしい。


四本試飲させてもらって、オットが気に入ったものひとつとワタシが気に入ったものひとつを三本ずつ。ホントはまとめて一ダース買い込みたかったが、マコンでワインを買った時と違ってちょっとお値段が…。

さて清算しましょうか、と立ち上がろうとしたら、「ちょっとこれ、これを試してみて下さいよ。試すだけ、ね」と奥から別の一本を出してきたムッシュ。にやにやしながらグラスに注いでくれたのをなめてみたら、これがンもう、ンまい!オットもワタシも「う~む」とうなってしまった。

「ね、いいでしょう~」と自慢げ。確かによいですが、ちょっと手の出ないお値段でありました。ちゃんちゃん。