フランス人は非常に黒が好きである。街を歩いていると、身に着けているもの上から下まで全部黒という人をそれはそれは大勢見かける。
これは案外、おしゃれだからという理由だけではないかもしれないと思う。というのも、15年ほど前自分も黒ばかり着ていた時期があって、その理由が「1.パーツが全部黒だと組み合わせに悩まないから。2.どれを組み合わせてもOKということはパーツの数が少なくてすむ、つまり安くすむから。3.汚れが目立たないから」という、おしゃれとはまったくかけ離れたものだったからである。薄給かつ一人暮らしで就労時間が週80時間とかだったので、とにかく手間もお金もかからないものを…となると、ファッションは黒が正解であった。
しかし。黒というのは危険な色でもある。若かった頃は問題なかったが、アラフィフどころかフィフ半歩手前のワタシの肌は、もう黒を許さない。いや、黒がワタシの肌を許さないといった方が正確か。
顔色が悪く見えるだけではない。黒は厳しい色である。チープな黒ほど貧相なものはない。質の悪い布の、黒のてかり。洗濯を繰り返し黒ではなくなってしまった黒。若いときはそのチープさを若さでカバーできるが、フィフ半歩手前では年齢が強調されるのみである。かといって今のワタシ、高価で上質な黒を身に着けるようなお家柄でも生活スタイルでもない。
そういうワタシに残された安全色は、ベージュやグレーのやわらかいニュートラル。どれも洗濯機でじゃぶじゃぶやってOKのコットンかコットン混紡、ウールなら手洗い可能の薄手のもののみ。洗濯時間100分のフランスの洗濯機で揉みに揉まれても、フランスの硬~い水で色が褪せても、気にならない気づかない「ゆるい」色と質のニット類。
たたんで重ねて棚にしまおうとしたとき、ふと「この色の組み合わせ、最近どこかで見たよなあ…」と思った。なんだか微笑ましいイメージを連想するのは何故かしらん、としばらく考えて、あ、そうそう、あそこで目にしたんだった、と気がついた。
6 comments:
いやあ、まっっったくおんなじ。
黒は本当に着なくなりましたねえ、あんななに好きだったけど...。
私の場合、濃グレーさえも着なくなった。
ボトムもジーンズ以外はカーキ系やベージュのデザインチノとかばっかり。
(たとえばユニクロで一本買って、良かったら微妙な色違いで同じものをまた買い足す感じです。激しく安いから。)
真っ白も逆に肌のくすみ(泣)が目立つけど、さわやか印象なので夏はまっ白を着る事も増えました(もちろん汚すから綿とかばっかりです)。
なので箪笥をあけると白~ベージュ~ブラウンばかり、まさに「ぎんちゃん!?」です(笑)。
■neroさん、
え、真っ白もやばいんだ。知らなかった…(汗)。色のあるカーディガンとか羽織れば大丈夫ですよね?
最近は、昔は着なかった明るい色(ビタミンカラーって言うの?)も着るようになりました。
どきっとしたー。びっくりしたー。
今日の服、全身黒なんですけどー。
職場でもしょっちゅう黒ばっかり着てるので、諸先輩方に言われます。黒が着れるのは、今のうちだけよ。って。
やっぱり、そうなのねー。
でも、黒じゃないと、ごはんぽろぽろこぼすからねー(殿じゃなく、私が 笑)。困るなー。
■じょりさん!
やっぱり、そうなのよー。
あとね、話は飛ぶけど、昔は全然使わなかった頬紅ってやつが、欠かせなくなります。
今のうちに沢山黒を着ておいてくださいね!
Wish I could read japanese !! ;-)
■argonne,
Now you know how I feel when I read your blog, LOL! I use Google Translate but it always comes out horrible!
Post a Comment