09 July 2011

運河から見たコペンハーゲン



ガイド付きのツアーボートがあったので、乗ってみることにした。





いくつかコースがあってどれも一時間ちょっと。24時間有効のチケットで乗りたい放題、ツアー全部踏破しようと思えば可能。しかも、ガイドなしの路線ボートも同じ会社の経営でチケットはそっちにも有効、街のあちこちに停まるので足として使える。





お得である。実際我々はこのボートに乗って、一日あっちこっち行きまくった。






海はまずダメなワタシも、川と運河なら大丈夫。水面からのアングルは二階建てバスとも徒歩とも違う視線で、滞在三日目でちょっと見慣れた風景も新鮮に見える。




この日はものすごくお天気がよくて日向は暑いくらいだったけれど、水の上は実に気持ちいい。顔に当たる風も心地よい。






シドニーの「真似しぃ」(←関西弁)と言われているらしいオペラハウス。随分不便そうなところにあったけど、みんなあそこまでタキシードとか着て自転車こいでオペラ観に行くのか?路線ボートの停留所はあるけど、最終ボートは5時半よ?





コペンハーゲンの運河の水は、きれいで泳いでも大丈夫だそうだ。実際、波止場から板の床を張り出して板塀で囲って、運河の水をそのままプールとして使っている場所が二ヶ所、ツアーのボートから見えた。飛び込み台まで設置してあって、プール好きのムスコに「あ~ん、楽しそう~。僕も行きたい」と何度も言われて可哀想になった。








世界三大がっかりのひとつに数えられている、人魚姫の像。


これは前日と前々日に二階建てバスで前を通っていて、その時は「どうせがっかりだから」と降りて写真を撮ることもしなかったのだけど、実はこれをボートから見ると、受ける印象がかなり違った。

近くに寄ったときに見えた人魚姫の、深い落胆と悲しみの表情。ボートが少し回るようにして見せてくれた人魚姫の、力が抜けて丸くなった背中。そして何より、陸からみると人間の視線だけれど、ボートから見ると人魚の視線なのだ。

子供の頃に読んだ人魚姫のお話の、陸に上がって歩くときにナイフで刺されるように足が痛かったという部分や、自分を救うためであっても王子を殺すことはできなかったという部分が急に鮮やかに記憶に蘇って、ワタシはなんだか泣きそうになった。恋に破れて泡となって消えていく乙女のお話なんである。このお話の終わり方が大嫌いで、「なんでこんな悲しいお話を書くねん。童話作家なら子供の喜ぶ楽しいお話を書くべきなんとちゃうの」と、アンデルセンに腹を立てていたことまで思い出した。






運河沿いには色んな国からのヨットが停泊している。最終日に散策しながら写真を撮っていたら、オランダから来ている年配のご夫婦に会った。今日これからオランダに戻るんですよ、と言いながらデッキでトーストとスクランブルエッグの朝食をとっていたご夫妻。ご隠居生活を満喫しているという感じでとても素敵だった。うちのオットも実は引退したらこういうことをやりたいらしい。しかしワタシは船が…。誰か他の人と行って下さい。








水際カフェとかレストランとか、椅子やベンチが並べられているところとか。地元の人も、観光客も、北欧の夏を思い切りエンジョイしている様子だった。もちろん我々も。






楽しかったね~。



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